北緯78°の北極圏で…北はどこ??

北極圏のスバールバル諸島というところに、局地観測のお手伝いに行ってきました。

カメラの方位と仰角を合わせるために、ポーラメーターというものを使います。天体望遠鏡やカメラに取り付けて使用できるようになっています。

が、しかし…ここは北極圏…磁場が乱れやすいのか、ポーラメータが安定して北を指してくれない…北極星は目視できているのに~(極夜で一日中暗いので、晴れていたらずっと星が出ている。おまけでオーロラもでる)ひどいときは完全に真逆!建物の中だと北を指してくれるのに、外に出した途端に狂いだします…このポーラメータの針、ゆ~っくり動くので、針が指す前に何らかの影響を受けて、上手く方位を指示してくれないんですよね…

物品が限られている北極圏の山の上…ここで登場したのが、おなじみ私物のiPhoneでした!そして、実は方位磁石が指す磁北ではなく、真北が知りたかったので、iPhoneのコンパスが本当に役立ちました。

↓ 実験に必要な機材の設定
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左が真北、右が磁北の設定で計測したものです。スクリーンショットを撮ったのですが、どちらがどっちの設定か表示されないためスクショだけ見てもわからず…写真のマークアップ機能を使って、真北の「し」磁北の「じ」とコンパスの左下にひっそりと黄色い細字のペンでメモをしています。

これを見ると真北と磁北では10度の差があるので、実測ですが偏角が10度なのでは?ということがわかりますね。理科の実験みたい^^

実際の設置は、真北の設定にしたコンパスアプリを立ち上げて、建物の中に置いておきます。カメラ設置後、急いでiPhoneを持ってきてセット!カメラの方位を合わせて完了!

暗いなかで自分で発光してくれるiPhoneは本当に助かりました。

写真では明るく見えますけどね^^;

結局ポーラメータは仰角を合わせるだけのものに…なんとも贅沢な使い方でした。