入試での合理的配慮について

教育相談などで他の学校にいく機会も多いのですが、その際に話題になるキーワードが一つあります。

「高校入試」

これが中学校でのICT活用における一つの壁ともいえます。授業でICTを活用して教科書やノートをデジタル化し、書字が苦手な子にタブレットやパソコンを活用しても、中学校の先生方の多くが必ずこう言われます。

「でも鉛筆での書字ができないと高校入試で受験できないのではないですか?」

と。そしてそう言われる方は大学入試のことをご存じない方が多いです。というか合理的配慮の認識も怪しいかも…。

実例として一つ紹介します。

アスペルガー症候群の診断を受けているAさんがいます。
この方は書字の困難を克服するためにパソコンで文章作成をしています。国立大学の AO 入試で小論文の PC 利用 (ワープロソフトでの文章の入力) が認められ、無事に合格されました。

確かにまだ高校入試で実際に認められたケースはないかもしれません。でも、配慮を求めるには日頃からの学習の積み上げと知識が必要です。

以下はDO-ITからの引用です。

普段の学習をパソコンで行っていても、学習場面でパソコン等の IT 機器利用が一般的ではないことから、試験でパソコン利用が許可されるかどうかがわからない。または、パソコン利用やその他の配慮が許可されるケースがあることを受験生自身や教師等が知らない場合もある。

教員もそういった知識をきちんと身に付けておくべきでしょうね。

学習における合理的配慮研究アライアンス

DO-ITのホームページです。